【映画備忘録】夜は短し歩けよ乙女
2017年に公開された映画を振り返る特集上映が渋谷アップリンクにて開催
その名も【見逃した映画特集2017】
そのなかから「夜は短し歩けよ乙女」を観てきた。
森見登美彦による長編小説。湯浅政明監督によりアニメーション映画化され、放映。
逃げ恥で話題の星野源がアニメ声優単独初主演ということで話題になっていた作品。
京都が舞台のちょっとかわった青春恋愛ファンタジー♡
冴えない大学生“先輩”と、クラブの後輩“黒髪の乙女”の恋模様が描かれている。
一晩の中に春夏秋冬の物語が詰め込まれていて、展開が早く、観ていて全く飽きなかった。
“黒髪の乙女”は無邪気で明るく出会う人全て魅了する主人公キャラ
決して小悪魔というようなキャラではなく天真爛漫、素が美しい。清らかな少女。
一緒にいたら自分も清らかになれそうと思えるような子。
楽しいことが大好き。楽しいことだけ目指してグイグイ進んで行く。
そして見た目に反して酒豪。
突然、大人のお酒の世界をもっと知りたい!と目覚め夜の街を巡る中で
いろんな縁に導かれ、色んな人を癒やし、助ける。
乙女が飲みまくっていた赤玉ワインや登場人物たちが美味しそうに飲む偽電気ブランの描写はとても魅力的で飲みたくなってしまった。不思議。
“先輩”は様々な下半身トラブルに遭いながら、先を行く乙女を必死に追いかける。
大学生という設定だからか、ひん曲がった自我が暴発しまくっていて、面白く懐かしく感じた。
思春期とはなぜこんなにも物事を複雑にしたがるのか。
傍目から見たらものすごくシンプルな世界なのに、思春期ってだけで勝手に現れる分身たちがあることないことギャーギャー責め立てる。
一人議会はわたしもしてたな。というか、頻度は少なくなったもののいまだにしてる。
ポジティブな妄想を膨らませ、謎の自信に満ち(ロマンスエンジンがかかる)、普段は考えもしない破天荒な行動に出たかと思えば、弱った時の自信の失くしかたも極端。
マイナスに大きく振れ、生きる意味まで考えてしまう。
さっきあんな突拍子もない行動をしたくせに、迫るチャンスに怖気づいて自分から避けようとする。
もうめちゃくちゃ。
映像やストーリーは不思議で可愛くってとってもファンタジー
でも、登場人物の精神的な部分はとても現実的に感じられて、どっちに集中したら良いのかわからなくなるくらい面白かった
親子関係や恋(鯉)人関係、人をつなげる伏線がいろんなところに張られてる。
何がどう巡って誰と出会うのかはわからないね。
全ては巡り巡って自分に返ってくるのかもしれない。
絵が可愛くて惹かれた作品だったけど、いろいろ思い出したり考えたりできる素敵な映画だった♡
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